秋の風物詩といえば紅葉・もみじです。
山や公園で見られる美しさに心が癒されます。
葉が赤いものがあれば、黄色もあり
黄葉(こうよう・もみじ)と書かれます。
紅葉と黄葉の色が変わる理由、語源や
日本の有名な紅葉名所について簡単に紹介します。
なぜ葉の色が赤や黄に変わるのか
葉の色が変わる原因は、葉っぱに含まれる成分にあります。
木の葉には、
緑色の色素であるクロロフィル
黄色の色素であるカロチノイド
が含まれています。
光合成をするために必要で、春から夏にかけてクロロフィルが優勢になります。
そのため葉は緑に見えます。
秋になって日照時間が短くなり、気温が下がるとクロロフィルは分解されます。
残ったカロチノイドが目立ち、葉が黄色に見えるのが黄葉です。
水分や栄養素が減るとアントシアニンという成分が生成され、葉は赤くなります。
葉の栄養分は木に回収され、冬にエネルギーを節約するために木から切り離されます。
イチョウの黄葉
イチョウは、中国原産で黄葉する木です。
イチョウの葉は扇形で、鮮やかな黄色になります。
寿命は数百年~数千年もあるといい、恐竜の時代から生き残る太古の植物です。
イチョウの黄葉は日本では古くから秋の風情を感じさせています。
ギンナン(銀杏)が雌木のみにあります。
漢方薬や食用になりますが、中毒やかぶれることがあり特に子どもは注意が必要です。
東京都の木はイチョウで、マークもイチョウに似ていますが
「T」をデザインしたものとされています。
もみじの黄葉
もみじとは、葉が赤や黄色になることを指します。
普通「もみじ」と言われる手の形の葉は、カエデという木の仲間です。
日本では約20種類、世界では160種類以上があります。
赤くなる種類と黄色くなる種類があります。
赤くなる種類は
イロハモミジ、オオモミジ、ノムラモミジ、トウカエデ、ナンキンハゼなどです。
黄色くなる種類は
ヒトツバカエデ、モミジバフウ、ハウチワカエデなどです。
たいていは葉が落ちますが、落ちない常緑のものもあります。
もみじの語源
「もみず/もみづ」(揉み出)という言葉があり、
「秋に草木から色が揉み出される」を意味します。
これが「もみじ」になったとされています。
「カエデ」はカエルの手に似ているので
「かへるて」が変化したといわれています。
日本の童謡「もみじ(紅葉)」
「秋の夕日に 照る山もみじ」
で知られる歌は、1911年(明治44年)の尋常小学唱歌(第二学年用)に掲載されたものです。
作詞は高野辰之・作曲は岡野貞一とされ、「ふるさと」「春の小川」と同じ作詞作曲者です。
日本の紅葉・黄葉スポットの一例
大雪山(北海道)
日本一早い北海道・大雪山の秋は、標高2000mに生える
高山植物の色鮮やかな草紅葉から始まります。
大雪山の五合目まで旭岳ロープウェイで登ることができます。
大雪山へは、旭川から車で1時間10分ほどです。
例年の見頃:9月上旬~9月下旬
奥入瀬渓流(青森県)
十和田湖を源に、深い木立のなかを流れる
特別名勝の奥入瀬渓流(おいらせけいりゅう)です。
滝が続く潤いのある風景は、自然がつくり出す美を教えてくれます。
八戸駅からバスで1時間30分ほどです。
例年の見頃:10月中旬~下旬
箱根(神奈川県)
箱根は、有名な温泉や芦ノ湖など観光スポットが多く
秋には紅葉や黄葉の名所になります。
ロープウェイや海賊船など、様々な乗り物で紅葉を眺めることができます。
最寄り駅は箱根湯本駅などです。
例年の見頃:10月下旬~11月下旬
富士山
日本の象徴である富士山は、紅葉や黄葉の季節にも美しさがあります。
富士五湖や河口湖など、富士山を背景にした紅葉風景は絵になります。
河口湖駅から車で20分ほどです。
富士河口湖紅葉まつりがあります。
例年の見頃:10月下旬~11月下旬
香嵐渓(愛知県)
香嵐渓(こうらんけい)は、愛知県豊田市にある渓谷です。
4000本以上のカエデが紅葉する東海随一の紅葉の名所です。
紅葉トンネルやライトアップなどさまざまな角度から楽しめます。
お車での最寄りは東海環状自動車道・豊田勘八ICです。
浄水駅・東岡崎駅・八草駅からバスで1時間ほどです。
もみじ饅頭も売られています。
例年の見頃:11月中旬~11月下旬
京都
古都・京都は、紅葉・黄葉の名所としても有名です。
寺社などの歴史的建造物と紅葉の組み合わせが、市内各所で楽しめます。
清水寺の最寄り駅は清水五条駅です。
例年の見頃:11月中旬~12月上旬
宮島(広島県)
世界遺産にも登録された厳島神社や五重塔などと紅葉が調和するスポットです。
宮島は島なので、宮島口駅からフェリーで10分ほどです。
もみじまんじゅうは明治時代に宮島の和菓子職人が考案したもので
主に広島のお土産として有名です。
例年の見頃:11月中旬~11月下旬
祖谷渓(徳島県)
祖谷渓(いやけい)は、四国カルストから流れ出る清流が削り出した渓谷です。
吊り橋や古民家などが点在し、昔ながらの風情を感じさせます。
秋には渓谷一面が赤や黄色に染まり、絶景を楽しめます。
最寄り駅は阿波池田駅・大歩危駅になります。
例年の見頃:11月上旬~11月中旬
中津耶馬渓(大分県)
日本三大奇勝として知られ、日本新三景に選定され名勝に指定されています。
渓谷に沿って奇岩や滝が連なり、秋には紅葉が美しく映えます。
中津駅から車で1時間ほどです。
例年の見頃:10月中旬~11月中旬
これらは一例ですが、日本には他にも無数の紅葉・黄葉名所があります。
2024年・今年の見頃については、最新情報を確認の上お出かけください。
2024年秋の紅葉の見ごろ
2024年10月現在のところ、
例年通りか少し遅いと予想されています。
日本気象協会 第3回「紅葉見頃予想」 見頃は全国的に遅め 11月後半は色づき加速(tenki.jp)
2024年10月31日発表
今年は12月ごろまで楽しめる所も多そうですね。
まとめ
紅葉・黄葉には、自然の摂理がかかわっています。
北から紅葉前線が南下し、日本の季節は冬へと向かいます。
名所や近所で紅葉を見る時は、
色の変化の理由に注目してみてはいかがでしょうか。
名所は見ごろになると大混雑になることが多いですが、
気になる方は、秋の行楽として足を運んでみてはいかがでしょうか。
近畿中部での10月31日のもみじ。まだ青い感じです。