秋の風物詩といえば、栗やさんまなどの味覚とともに
メディアで毎年注目されるワイン「ボジョレー・ヌーヴォー」があります。
販売開始日が決まっており、
2024年の解禁日は11月21日(木)です。
ボジョレーヌーボーとは何か、有名なブランド、
おいしい飲み方などを紹介します。
ボジョレー・ヌーヴォーとは
ボジョレー・ヌーヴォー(Beaujolais Nouveau)とは、
「フランスのブルゴーニュ地方・ボジョレーの新酒」です。
Beaujolaisは地名で、Nouveauは新しい意味です。
9月ごろに収穫された出来たてのぶどうで作られた
赤・ロゼワインで、白ワインはありません。
成熟が速く、豊作になりやすい赤ワイン用の
「ガメイ種」のぶどうを使い、速く醸造できる
「マセラシオン・カルボニック」という方法が使われます。
もともとその年のぶどうの出来をみるワインでしたが、
1970年代からブームになり、
日本では1980年代後半、バブルの頃から人気になりました。
「ボジョレー・ヌーヴォー」
「ボージョレ・ヌーヴォー」などと書き方に違いがありますが、
フランス語を日本語に直す際の表記の問題で、どちらでもよいとされます。
ボジョレー・ヌーヴォーの解禁日
今年2024年は11月21日(木)です。
フランス政府により、11月の第三木曜日と定められています。
1967年以前は、いち早く出荷しようと生産者が競って
粗悪な質のワインが増えたため、解禁日を11月15日にしました。
しかし「キリスト教の安息日」である日曜日に重なると、
運送会社が休みで運べないなど、混乱が生じます。
そこで現在の決まりになりました。
値段が高い理由
ワインは通常は、船で数ヶ月かけてきますが、
鮮度が大事な「ボジョレー・ヌーヴォー」は飛行機で運ばれます。
航空機は数日で到着する分、輸送費は船の数倍になります。
円安で日本のお金の価値が下がっていて
物価の上昇など、仕入れ価格が上昇している事情もあります。
ウクライナ侵攻の影響もあり、飛行機の燃料代が高いこともあります。
そのため、割高でいわゆるコスパの悪いワインですが、
その年の新物を飲みたい方々に愛されています。
ボジョレーヌーボーの度数
アルコール度数は12~15%ほどが多いとされます。
今年のワインの出来
2024年、今年のボジョレー地区は7月に悪天候に見舞われたものの、
その後の日照は順調で、出来に問題はないようです。
有名なブランド
ジョルジュ・デュブッフ
無名のボジョレー・ヌーヴォーを世界的に有名にした名醸造家
「ジョルジュ・デュブッフ(1933~2020)」氏です。
「ボジョレーの帝王」と呼ばれる方です。
ボージョレ地区のぶどうを使っていないので
ボージョレ・ヌーヴォーではないものの、ロゼなども発売されます。
他にも、
- タイユヴァン(フランスの権威あるレストラン)
- アントワーヌ・シャトレ
- ジョセフ・ドルーアン
- ルー・デュモン
- カリーム・ヴィオネ
- マルセル・ラピエール
- アンドレ・ボニエ
- ドメーヌ・デュ・トラコ
といったブランドがあります。
「キュベ(キュヴェ)」は
もとはワインを発酵させるタンクのことですが、今はワイン自体をさします。
タンクによって味が違うので、この言い方をするようです。
ボジョレー・ヌーヴォーの値段
1000円程度から、1万円以上の高級品もあります。
よく見かけるのは、720mlで3000円~5000円ほどです。
375mlの瓶だと1600円ほどです。
大手メーカーのサントリーによれば、製造費の値上がりなどがありつつも、
今年の価格は据え置かれているようです。
2024年は、スーパー西友が890円と格安の
ペットボトル入りを販売するのが話題になっています。
ランクは2種類
- ボジョレー
- ボジョレー・ヴィラージュ
この2つがよく市場に出回る種類です。
ヴィラージュの方が上で、
贈り物など質にこだわりたい方はこちらがおすすめです。
ただ、ボジョレーのほうがヌーヴォーを味わうのに適している
という持論の人もいます。
飲み方
ボジョレー・ヌーヴォーは、早めに飲んだ方がいいワインです。
普通の赤ワインと違い冷やしても渋みが少なく、
少し冷やすのがおすすめです。
1時間ほど冷蔵庫で冷やし、飲む20~30分前に冷蔵庫から出すと、
温度は10~12℃の飲み頃になります。
ホットワインとして飲む方法は、
オレンジ、リンゴ、シナモンを入れて
20分ほど沸騰しないように火にかけます。
お好みでハチミツや生姜などを入れたりします。
ボジョレー・ヌーヴォーに合う食べ物
ボジョレー・ヌーヴォーは、チーズ・サラミなどの前菜、
ローストビーフ・鍋や煮込み料理など
温かい料理とも相性が良いとされます。
モンドールチーズは秋冬限定のチーズで、
フランスの方はこのチーズを見ると秋を感じるそうです。
意外に和食でも、焼き鳥や肉じゃがなど
甘辛いものに合うということです。
ボジョレーヌーヴォーは日本だけ?
日本は、世界でも消費量が多い国ですが、
ボジョレー・ヌーヴォーは欧米でも需要があります。
例えばアメリカでは
「サンクスギビングのワイン」として親しまれています。
11月第4木曜日にアメリカやカナダなどで祝われるのが
サンクスギビング(感謝祭)です。
甘いクランベリーソースをかけたターキーや
パンプキンパイなど、秋の味覚と食卓に出されます。
イギリスではフランスの文化として認識されフランス料理と合わせます。
若者向けの印象もある「パーティーワイン」として、
解禁日にはバーやレストランでイベントが開催されます。
アメリカは、2020年に約160万本を輸入し、
世界で2番目に多い数で、日本につぐ人気があります。
コロナ禍でオンライン販売が伸び、
若者・女性のワイン消費が増えたことなどがあります。
かつての日本ほど熱狂的ではないものの、
欧米でもボジョレー・ヌーヴォーは無視されてはいないようです。
まとめ
ボジョレー・ヌーヴォーがメインのパーティーを
「ボジョパ」といい、かつては盛り上がりが今よりありました。
価格が高く、いまの日本では一部の人の楽しみかもしれません。
ただ、ワインの消費量は世界でも上昇傾向で
最近はインドなどで人気が高まっているとのことです。
お酒に興味がある方は、秋の夜長を
年に一度のワインとともに楽しまれてはいかがしょうか。
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