台風の日にコロッケはなぜ?いにしえのネットネタが近年に復活

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コロッケ 風物詩

台風が接近すると、ネット上やSNSで防災情報とともに
話題に上ることがある「コロッケ」

スーパーの店頭に特設コーナーが設けられることもあり
台風シーズンの風物詩かもしれません。

しかし、冷静に考えると「台風」と「コロッケ」には
何の関係もありません。

この記事では、多くの人が抱く素朴な疑問
「なぜ台風の日にコロッケなの?」を解説します。

すべての始まりは2001年。ネット掲示板の書き込み

ネットの図

この奇妙な文化の発祥は、2001年のインターネット上にありました。

2001年8月21日、台風11号(パブーク)が日本に接近していた深夜
巨大掲示板サイト「2ちゃんねる(現・5ちゃんねる)」の
「上陸秒読み実況スレッド」に、こちら横浜というHNのユーザーがこう書き込んだのです。

「念のため、コロッケを16個買ってきました。
もう3個食べてしまいました」

緊迫した状況の中、どこかユーモラスで平和なこの書き込みが
他ユーザーのツボにはまり、コロッケを食べたくなる人が続出。

「台風への備えはコロッケだ」というネタとして2ちゃんねるで拡散。

以降、台風が来るたびにコロッケの話題で盛り上がるのが、
ネット(主に2ちゃんねらー)の「お約束」として定着していきました。

なぜ「コロッケ」は台風メシになったのか?

クリームコロッケ

ネットのノリで終わらず、社会現象に近いものになったのは、
いくつかの理由があります。

2012年、Twitterのトレンド入りをメディアが取り上げる

2012年の台風4号接近時に、Twitterのトレンド(その時点での人気ワード)に
台風コロッケが出現し、TVなどのメディアがそれを取り上げ、
一般にも認知が拡大。

2016年にはNHKが「所さん!大変ですよ」という番組で
話題にしたりしました。

手軽で美味しい「おうち避難メシ」

台風の日は外出もままならず、停電の不安などもあり
凝った料理は避けたいものです。

スーパーで手軽に買えるコロッケは、温めるだけ、
そのままでも食べられる便利な一品です。

サクサクの衣とホクホクのじゃがいもは、
不安な気持ちを和らげる「ささやかなご馳走」として
多くの人に受け入れられました。

スーパーなどが便乗

イオンやイトーヨーカドーといった大手スーパーなどが、
台風予報が出ると
「コロッケはいかがですか?」といった特設コーナーを設置し、
コロッケをいつもより陳列。

この戦略が功を奏し、コロッケの売り上げが実際に伸びました。
2017年の台風21号では、イオンがコロッケ在庫量を1.5倍にしたところ完売。
その後も同様の施策は続いています。

コロッケだけじゃない?台風の日の新たな定番候補

餃子

「コロッケは飽きたかも…」という方へ。
近年では、コロッケ以外の選択肢も注目されています。

  • メンチカツ派
    コロッケの永遠のライバル。
    ガツンとした肉の旨味で満足感は抜群です。
  • ギョーザ派
    外出できない時間を逆手に取り、
    家族で皮に餡を包む作業を楽しむ家庭も。
  • 唐揚げ派
    子どもから大人まで人気の定番惣菜。
    冷めても美味しく、お弁当気分を味わえます。
  • カップラーメン派
    防災食の王道。
    お湯さえ確保できれば、すぐに温かい食事ができます。

「楽しい備え」のススメ。台風コロッケが教えてくれること

防災用品

「台風コロッケ」という習慣は、面白い文化というだけではありません。
防災意識を高めるきっかけという役割を担っています。

「コロッケを買いに行かなくちゃ」

その気軽な気持ちが、重い腰を上げて防災準備をするための、
最初のステップになるのです。

コロッケを買いに行くついでに、

  • 懐中電灯の電池は切れていないか?
  • 飲料水や非常食のストックは十分か?
  • スマホのモバイルバッテリーは充電されているか?

といった、本当に重要な「備え」を確認する機会になります。

災害への備えという、真面目で少し面倒なタスクを、
「コロッケ」というキーワードがポジティブで
楽しいイベントへと転換してくれます。

まとめ

揚げたコロッケの群れ

「台風コロッケ」は、ネットのユーモアから生まれ、
メディアと企業戦略によって、社会に根付いた現代的な文化です。

しかしその本質は、災害という脅威に直面した人々が、
不安を和らげ、連帯感を持ち、そして楽しみながら
防災意識を高めるための、賢い生活の知恵なのかもしれません。

次の台風が近づいてきたら、まずは身の安全を確保し、
万全の対策を講じてください。

その上でコロッケを用意して、
「楽しい備え」を実践してみてはいかがでしょうか。


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