行楽日和の秋晴れが続き、
朝晩は冷え込みを感じる秋、霜降という節気がやってきます。
今年、2024年の霜降は10月23日(水)です。
霜降とは何か?風物詩や食べ物、七十二候などを見ていきます。
霜降とは何か?
霜降の読み方は「そうこう」です。
二十四節気の18番目です。
朝晩の気温が一段と下がり、霜が降り始めるころ
を表します。
江戸時代の暦の解説書『暦便覧』では、
「つゆが陰気に結ばれて霜となりて降るゆゑ也」とされています。
時雨が降ったあと、陰気と露が結びついて霜になるということです。
2024年の霜降といえば、
10月23日(水)当日をさす場合
10月23日から11月6日まで約15日間をさす場合
があります。
霜降は、太陽の黄経が210度になるころで
正確に天文学上で、日本では10月23日の7:15です。
霜降の次の二十四節気は「立冬」です。
二十四節気は、古代中国で考案された季節の区切り方です。
太陽の黄経を、15度ごとに24の節気に分けます。
太陽の動きに合わせて決まり、日付が固定されていません。
年によって、一日くらいのずれがあります。
霜降の気候や風物詩は?
霜降の時期は、秋の終わりに近づき
霜が降りるようになります。
霜とは、空気中の水蒸気が冷えて氷になったもので、
早朝の地面や草木に白くきらめきます。
霜が降りると植物の生育が止まり、収穫も終わり
農業などで節目を迎えます。
紅葉が見頃で、多くの人が紅葉狩りに出かけます。
主に北日本・東日本の山で見頃を迎えます。
紅葉は落葉樹が、冬に備えて葉緑素(クロロフィル)を分解し、
残った色素が赤い色として現れる現象です。
読書週間
読書週間は、10月27日から11月9日までです。
今年の標語は「この一行に逢いにきた」です。
「読書する喜びを広める」ことを目的とした運動です。
公益社団法人読書推進協議会や
書店などで催しが行われます。
前身の「図書週間」を入れると1920年代からの歴史があります。
「灯火親しむべし」という言葉があり、
古代中国の詩人・韓愈の言葉を、夏目漱石が小説(「三四郎」)内で紹介し
夜の長くなる秋に読書をしようという風潮ができたとされます。
ただ、最近の調査では「月1冊も読書しない人が6割超」とされています。
(文化庁「国語に関する世論調査」2023年)
ハロウィン
ハロウィンは、2024年10月31日(木)です。
日本では若い人を中心に広まりつつありますが、もともとは
「収穫祭」「死者の魂を迎える日」という起源を持つ西洋の風習です。
店では子ども向けのお菓子・ハロウィングッズが並び、
学校園などでパーティーなど行事を行うこともあります。
テーマパークのイベントや、東京の吉祥寺で
ハロウィンフェスタ(10/25~27)などがあります。
文化の日
文化の日は、2024年11月3日(月)です。
この日は、統計的に晴れになりやすい日とされます。
「自由と平和を愛し文化をすすめる」ことを目的とした国民の祝日です。
11月3日は、文化勲章の親授式が皇居で行われます。
科学や文化の発展に大きな功績があった人に授与され、
前年度までの文化功労者の中から選ばれます。
1946年、現在の日本国憲法が公布された日でもあります。
明治天皇の誕生日でもあり、
昔は天皇誕生日を「天長節」といいました。
戦前の昭和には「明治節」と呼ばれ、
古くから祝日として親しまれた日です。
美術館や博物館が無料になったり、催しがあります。
10/26~11/11の日程で、正倉院展(奈良)も開かれます。
霜降の旬の食べ物は何か?
鮭(さけ・しゃけ)
鮭は産卵のために川に戻ってくる「秋鮭」と呼ばれ、
身が引き締まり、脂が少なめでさっぱりとした味わいです。
オホーツク海などで成長した北海道のサケが有名です。
鮭はたんぱく質やオメガ3、ビタミンB12、ビタミンDなどの栄養があります。
フライやムニエルなど油を使う料理や、ホイル焼きなどがおすすめです。
柿(かき)
中国原産で、奈良時代には日本でも食べていたとされる
伝統ある果物です。
柿はビタミンCや食物繊維を多く含み、風邪の予防にもなるとされます。
柿は糖分も多く、エネルギー補給にも最適です。
ただしタンニンにより一日1,2個にしないと胃石ができるともいわれます。
柿くへば 鐘が鳴るなり 法隆寺
という正岡子規の俳句は、俳句を知らない方にも有名です。
子規は、柿が大の好物だったそうです。
奈良で柿を食べていると鐘が聞こえ、秋を感じたという内容ですが、
この鐘は東大寺のものであったのではないかともいわれています。
生姜(しょうが)
体を温めることでおなじみの、インド・中国原産といわれる多年草です。
ジンゲロール・ショウガオールといった成分を含み、
血行促進、消化促進、風邪の予防などの効果があるとされます。
しょうが焼きや甘酢漬けなどの料理のほか、
しょうが醤油など調味料にもされます。
霜降の七十二候
七十二候とは、二十四節気をさらに3つの期間に分けたものです。
霜始降(しもはじめてふる)10/23~27
【10月23日ごろから10月27日ごろ】
朝晩の気温が一段と下がり、初めて霜が降りるころです。
3~5℃以下になると霜が降りるといわれています。
霎時施(こさめときどきふる)10/28~11/1
【10月28日ごろから11月1日ごろ】
ぱらぱらと小雨が時々降るころです。
空気中の水蒸気が冷やされて、冷えた小雨が降ることがあります。
楓蔦黄(もみじつたきばむ)11/2~11/6
【11月2日ごろから11月6日ごろ】
モミジやツタが赤や黄に色づき始めるころです。
例年なら、この辺りから本州の紅葉シーズンが本格化します。
霜降の花・草木
菊
10~11月ごろの菊は秋菊とよばれ、もとは中国原産の花です。
菊まつりなどが行われる地域もあります。
別名に星見草、千代見草などがあります。
菊は日本の国花で、重陽の節句や菊人形などで親しまれています。
江戸時代に、庶民の間でも菊を育てて鑑賞することが流行したようです。
菊には「高尚」「不老長寿」や「高貴」「高潔」などの花言葉があり、
色によって、別の花言葉があります。
コスモス
コスモスはメキシコ原産で、秋の野原を彩る一年草です。
ピンク・白・赤などの色があり、秋桜(あきざくら)ともよばれます。
コスモスには「乙女」や「調和」「謙虚」などの花言葉があります。
Cosmosは宇宙をさす意味もありますが、星のように咲き乱れるさまは
あながち別物ではないのかもしれません。
ムラサキシキブ(紫式部)
湿地や山林など湿り気のある所に自生する、日本など原産の木です。
清楚な美しさから、源氏物語を書いた紫式部の名を付けられたとされます。
「聡明」「上品」「愛され上手」などの花言葉があります。
6月ごろに花が咲き、秋に紫色の実がなります。
紅葉(もみじ)
紅葉狩りで一般的な、手の形をした木はもみじという名ではなく、
カエデの仲間です。
花言葉には「重要」「変化」「調和」「長寿」などがあります。
10月下旬から12月上旬にかけて見頃を迎えます。
霜降の頃にある行事
「十三夜(じゅうさんや)」|10月15日(火)
十三夜とは、旧暦9月13日の夜にお月見をすることで
日本由来の風習とされます。
新月から13日目で、満月より少し欠けた月です。
十五夜の次に美しいので、両方を見ないと縁起が悪いとされていました。
月見団子のほか、この頃に収穫される栗や枝豆などをお供えすることで
栗名月や豆名月ともいわれます。
2023年の十三夜の月(20時頃)
まとめ
霜降は二十四節気のひとつで、
霜が降り始めるころを表します。
2024年は、11月も気温が高めと言われており、
紅葉や、冬の気配は少し遅くなるかもしれません。
紅葉、旅行、読書、スポーツ、旬の食べ物を味わったり、
冬物の服や、おせち予約、暖房の準備をするのがいいかもしれません。
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