処暑とは?その意味や由来、伝統行事や風物詩を紹介

アフィリエイト広告を利用しています。
二十四節気
この記事は約7分で読めます。

二十四節気の一つである処暑。

処暑とはどのような季節なのか、
意味や由来、風物詩、旬の食べ物について解説します。

【広告】




処暑とは?

晩夏の山頂

処暑は8月23日です。

または、8月23日頃から9月7日頃を指します。

1年を24等分した季節に分けた二十四節気で、14番目の節気(中気)です。
読み方は「しょしょ」です。

意味は「夏の暑さがピークを過ぎて後退する頃」ということです。
「処」という字には「落ち着かせる」という意味があります。

厳しい暑さが峠を越えて、だんだんと落ち着いてくる季節になります。
日中はまだまだ暑さも続きますが、朝晩は涼しい風が吹き始めます。

処暑は、太陽黄経が150度に達する瞬間を含む日とされています。
太陽黄経は、太陽が黄道上を移動する際の角度です。

黄道十二宮で処女宮の原点に相当します。

毎年日付は変動しますが、2024年から閏年のみ8月22日で、
その他は8月23日が2056年まで続くと予想されています。

処暑の由来

古文書

処暑という言葉は古代中国から伝わってきたものです。

立秋は「秋が始まる」という意味でしたが、実際にはまだ夏真っ盛りです。
そこで「七月中」という言葉で、この月の後半を表すようになりました。

「七月中」は「七月中旬」と同じ意味ですが、
「中」には「止まる」「収まる」というニュアンスもありました。
つまり、「七月中」は「夏の暑さが止まって収まる頃」ということでした。

「七月中」が日本に伝わった際に、「処」という字を当てたと考えられます。
「処」にも「止まる」「収まる」という意味があったため合っていました。

「処」には「落ち着く」「安らぐ」という意味もあります。
「七月中」に行われる仏教行事である盂蘭盆会(うらぼんえ)や
お盆(おぼん)も関係しているかもしれません。

二百十日

台風で倒れた稲

処暑の間には、二百十日(にひゃくとおか)という日があります。
立春から数えて210日目にあたり、2023年は9月1日です。

昔からこの日は台風が来やすいとされており、農家の三大厄日のひとつとされています。
ただ最近はあまりあてにならなくなりつつあります。

この日は防災の日でもあります。

1923年9月1日に発生した関東大震災を慰霊するとともに、
災害に備える日として定められました。

「二百十日」という夏目漱石の短編小説もあります。

旬の食べ物

シャインマスカット
シャインマスカット

処暑に旬を迎える食べ物は、以下のようなものです。

  • イチジク
    ビタミンやカルシウムなどが豊富な果物です。
    冷やして生で食べるほか、ジャムやドライフルーツにしてもおいしいです。
  • トウモロコシ
    甘みと香りが特徴的な夏野菜です。
    茹でてバターを塗ったり、スープやサラダなどにします。
  • ブドウ
    ポリフェノールやビタミンCなどが含まれる果物です。
    上のほうが甘く、皮ごと食べるとさらに栄養価が高まります。
    2006年に登場したシャインマスカットが人気です。
  • マグロ
    高タンパク・低カロリーな魚で、
    赤身や中トロ、大トロなど部位によって味わいが異なります。
  • サバ
    オメガ3脂肪酸やビタミンB12などが豊富な魚で、
    血液サラサラ効果や貧血予防などに効果があります。
  • イワシ
    よく食べられるのはマイワシで、青魚なのでDHAやEPAなどが含まれています。
    目刺しになるウルメイワシや、煮干しなどになるカタクチイワシもあります。
いわし
イワシ
焼きとうもろこし
焼きとうもろこし
いちじくの実
いちじく

旬の植物

処暑に旬を迎える植物は、萩やススキ、むくげなどが有名です。

萩は秋の七草のひとつで、紫色や白色の小さな花を咲かせます。
古くから和歌や俳句に詠まれる花で、秋の風情を感じさせてくれます。

萩の花

他にも、処暑に旬を迎える植物があります。

  • キク
    秋の花の代表格で、多彩な花を咲かせます。
    キクは長寿や繁栄を象徴する花としても知られます。
  • クズ
    つる性の植物で、白やピンクなどの色の花を咲かせます。
    クズは食用や薬用にもなりますが、
    繁殖力が強く雑草化しやすいため注意が必要です。
クズの花
クズ

虫では、マツムシなどの声が聞こえ始めます。

処暑の頃の伝統行事

富士吉田の火祭り
吉田の火祭り

処暑の時期には、日本各地で様々な伝統行事が行われます。

その中でも有名なものをいくつか紹介します。

吉田の火祭り(山梨県)

吉田の火祭りは、8月26日と27日に山梨県富士吉田市で行われる火祭りです。
富士山の麓にある北口本宮冨士浅間神社と諏訪神社の例大祭で、千本の松明が夜空を照らします。

おわら風の盆(富山県)

おわら風の盆は、9月1日から3日にかけて富山県富山市八尾地区で行われる盆踊りです。
古くから伝わっている民俗芸能です。

この踊りは、豊作祈願のために始まったと言われています。

踊りの曲は「越中おわら節」と呼ばれます。

地蔵盆(関西地方)

地蔵盆は8月23日頃に、
京都を中心とした関西地方で主に行われる行事です。

地蔵菩薩とは、子どもや旅人を守護する仏教の菩薩です。
地域の子供たちが地蔵菩薩の像や塔にお供え物をしたり、お参りしたりします。

家々からお菓子やお金などをもらったりし、
「地蔵さんまいり」と呼ばれます。
最近は少子化などで、関西でも行事が減りつつあります。

地蔵盆の灯明

処暑の頃の風物詩

秋が旬・里芋の葉
台風の後の里芋畑

処暑の季節には、秋を感じさせる風物詩がいくつもあります。
その中でも代表的なものをいくつか紹介します。

虫の声

処暑の頃から、夜になると虫たちが鳴き始めます。
コオロギやスズムシ、キリギリスやヒグラシ、マツムシなど、
様々な種類の虫が秋の訪れを告げます。

虫の声は、日本人にとって秋の風情を感じさせる音楽です。
古くから和歌や俳句に詠まれてきました。

月見

処暑の頃から、夜空には満月が輝き始めます。
秋は月が特に美しく見える季節です。

日本では古来より月を観賞する習慣がありました。
これを「月見」と呼びます。

月見は、お盆や中秋節などと関係している場合もありますが、
特に十五夜(中秋の名月)が有名です。
※今年は9月29日(金)

この日は、家族や友人と一緒に庭や窓辺から月を眺めたり、
団子や栗などのお供え物をしたりします。

また、ススキや萩などの花を飾ったり、
笛や琴などの楽器を奏でたりすることもあります。

台風

処暑の頃は、台風が気になる季節です。

台風時は、エアコンの室外機が風雨で壊れたりすることもあるため
対策が必要です。
転倒した場合は、念のため点検依頼をしたほうが良いとされます。

秋の気配

暑い中でまだ早いですが、
今から紅葉に思いをはせるのもいいかもしれません。

今年はコロナウイルスも落ち着き、名所は人出が予想されます。
予約が必要な所は、早めに確認するのがいいかもしれません。

紅葉は、気温や日照時間などによって色づき方が異なりますが、
一般的には11月にかけて見頃を迎えます。

8月のうろこ雲

七十二候

綿花
綿

七十二候とは、その期間の季節の変化を表したものです。

処暑には3つあります。

  • 初候・綿柎開(わたのはなしべひらく)
    綿花が開き始めるころ
  • 次候・天地始粛(てんちはじめてさむし)
    天地の暑さが鎮まり始めるころ
  • 末候禾乃登(こくものすなわちみのる)
    稲穂が実り垂れるころ

処暑の七十二候は、夏から秋へと移り変わる季節の移ろいを感じさせます。

綿花は、綿を作るために重要な植物で
日本でも古くから栽培されてきました。

天地始粛は、夏至から数えて45日目にあたり、
太陽の高度が低くなり、日中でも涼しくなってきます。

禾乃登は、稲作が盛んな日本では豊作を願う時期で、
収穫に向けて準備を始めます。

おわりに

納涼の線香花火

この記事では、二十四節気の一つである処暑についてご紹介しました。
処暑は、季節の変わり目で秋の気配が感じられる時期です。

ただ、近年は残暑が長引き、秋が短くなることも多いです。
気温差や気圧などによる体の不調に注意してください。


次の「白露」はこちら

【広告】



コメント

タイトルとURLをコピーしました