12月・師走(しわす)は、日本の多くの地域で雪が降り始める時期です。
そんな雪の季節を表す12月の言葉が「大雪」という節気です。
二十四節気の大雪について、意味、風物詩や食べ物、七十二候を紹介します。
大雪とはいつ?読み方や意味
大雪は「たいせつ」と音読みで、二十四節気の21番目です。
2024年の大雪は12月7日(0:17)です。
期間としての大雪は12月7日~12月20日です。
大雪とは「雪がさかんに降りだす頃」という意味で、
山は雪をかぶり、平地にも雪が降るとされます。
大雪の前は、わずかに初雪が降る頃という意味の「小雪(しょうせつ)」(11/22)、
大雪の次は、1年で最も昼の時間が短い「冬至」(12/21)となります。
大雪の由来、歴史
二十四節気とは、古代中国で農業や天文学の発達とともに作られた暦です。
太陽の位置・気候に合わせ、1年を24節気に分け、農作業・祭事の目安にしました。
二十四節気は、奈良時代ごろ日本に伝わりました。
ただ、中国の奥地と日本では気候が異なるのです。
二十四節気と実際の気候がずれてると感じるのはこのためです。
大雪という名前どおり、中国では雪がたくさん降る季節に合っていたものの
日本では降らない地域も多く、現在では大げさに感じることもある節気です。
大雪の時候の挨拶
大雪の時期に、手紙やメールなどの書き出しで使う言葉があります。
時候の挨拶とは、季節の移り変わり・自然の様子を表現し、
相手に季節の挨拶をし、敬意や親しみを伝えるため添えます。
大雪の時候の挨拶は
「大雪の候」「大雪の折」「大雪のみぎり」という言葉を使います。
以下のような例文が考えられます。
- 拝啓、大雪の候、貴社におかれましては益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。
- 大雪の候、いかがお過ごしでしょうか。寒さが厳しくなりますので、ご自愛ください。
- 大雪の候、突然のメールで失礼いたします。先日はお忙しい中、お会いできて光栄でした。
結びは「暖冬の折、貴社のますますのご発展を心よりお祈り申し上げます。」
「ご多用な歳末の折、お身体ご自愛くださいますようお願い申し上げます。」
などとします。
書き出しに「拝啓」を使った場合は、結びの最後に「敬具」を、
よりかしこまった「謹啓」を使った場合は、「謹白」や「謹言」をつけます。
大雪の風物詩、食べ物
大雪の頃から、日本には「冬将軍」と呼ばれる厳しい寒気がやってきます。
冬将軍は、シベリアから吹き込む北西の風で、日本海側には大雪を
太平洋側には乾燥した冷たい風をもたらします。
冬将軍の名前は、19世紀の初めにナポレオンがロシアに侵攻した際、
寒さで敗退したことに由来します。
冬将軍の到来とともに、雪国では雪の重みで木々の枝が折れないように、
雪吊りをする風景が見られます。
雪吊りとは、木の枝に竹や縄を結びつけて、雪の重さを分散させる方法です。
稲のわらで作る「わらぼっち」という風物詩もあります。
大雪の頃には、冬の味覚も楽しめます。
野菜では、白菜、大根、れんこん、春菊などが旬を迎えます。
果物では、みかん、レモン、りんご、洋ナシなどがおすすめです。
果物はビタミンCが豊富で、風邪予防にも効果的です。
魚介類では、
カニ、ウナギ、ヒラメ、ハマチ、フグ、タラ、ブリなどが美味しくなります。
これらの魚は、寒い季節に体を温めるのにぴったりです。
大雪の七十二候
大雪の期間は、さらに3つの候に分けられています。
初候:閉塞成冬(そらさむくふゆとなる)
12/7~12/11ごろ
天地の気が塞がれ、重い曇り空が多くなり冬らしくなる頃です。
次候:熊蟄穴(くまあなにこもる)
12/12~16ごろ
熊が冬ごもり、冬眠の時期に入り穴にこもる頃です。
末候:鱖魚群(さけのうおむらがる)
12/17~12/20ごろ
鮭が産卵のため、主に北海道などの川を遡上する頃です。
大雪の行事
大雪の頃には、新年を迎える準備を始める行事があります。
そのひとつが「正月事始め(しょうがつことはじめ)」です。
正月事始めは12月13日などに行われ、正月に必要なものを用意したり、
家や、神社仏閣を掃除します。
正月事始めには、以下のような風習があります。
- 煤払い(すすはらい)
家の煤や埃を落とす大掃除のこと。
神社仏閣では、笹竹や藁で作った清め竹を使って、本殿や正門などの埃を取り除く。 - 雪吊り(ゆきづり)
雪の重みで木の枝が折れないように、竹や縄で枝を吊り上げること。
積雪の多い地域では、冬の風物詩となっている。 - 事始め神事(ことはじめしんじ)
神社で行われる、新年の無事を祈願する神事。
まとめ
大雪は、冬至よりも取り上げられることが少ないですが、
本格的な冬の始まりを告げる節気です。
クリスマスが近づき、イルミネーションが増えてくる時期でもあります。
年末年始の準備、お歳暮や仕事の忘年会など忙しい時期でもあります。
雪や寒さで体調に厳しい季節が始まりますが、
暖かくして一年の最後の月を過ごしてください。