小雪(しょうせつ)
二十四節気のひとつで「わずかに雪が降り始める頃」を表す言葉です。
小雪の時期は、11月22日から12月6日までとされています。
小雪の意味や由来、気候の特徴、旬の食べ物や行事、
七十二候について紹介します。
小雪はいつ?
2023年今年の小雪は11月22日(金)4:56です。
期間としての小雪の時期は、11/22~12/6です。
二十四節気の20番目にあたります。
太陽の黄経が240度に達する時をさします。
小雪の次の二十四節気は「大雪」です。
お歳暮やおせち準備をする時期でもあります。
期間後半になると福袋、冬休み、クリスマスといった風物詩も
多く見聞きするようになります。
小雪の意味・由来
小雪という言葉は少し雪が降る程度を表しています。
小雪とは雪が降り始める季節であり、
まだ積もるほどではない初雪の時期を意味しています。
小雪の気候
小雪の時期は、日中はそれほど寒くなく、
ときに春を思わせるような暖かな日になることがあります。
これを「小春日和」と呼びます。
小春とは旧暦の10月(今の11月頃)のことで、
初冬の穏やかで暖かい気候を春に例えて「小春日和」と呼ぶようになりました。
小春日和は冬の寒さに備えるひとときの恵みとして、人々に喜ばれてきました。
しかし小雪の時期は、朝晩は冷え込みます。
空気が乾燥し、風邪やインフルエンザなど感染症にかかりやすく
ワクチンの予防接種などで病院が混み合います。
冬至(12/21)が近づき、いっそう日が短く感じるかもしれません。
防寒対策や肌の保湿対策をしっかりと行い、
免疫力を高めるためにも、旬の食べ物をとることがおすすめです。
小雪に食べたい旬の食べ物
小雪の時期に食べたい旬の食べ物をいくつか紹介します
新米
新米とは、その年に収穫されたばかりのお米のことです。
新米は、水分が多く、ふっくらとして甘みがあります。
新米のおいしい季節は、10月から12月頃までとされています。
新米は、おかずがなくてもおいしく食べられるかもしれません。
お漬物・海苔・佃煮など、ご飯のお供と一緒に食べるとおいしさが増します。
新米は精米してから日が経つと、水分が失われ風味が落ちてくるので
できるだけ早く食べ切るようにしましょう。
カニ(蟹)
寒くなると、カニのおいしい季節がやってきます。
カニは、脂肪や糖質が少なく低カロリーな食材です。
1kgのズワイガニを食べても、240kcalほどにしかならないようです。
ビタミンB1やB12、亜鉛などのビタミンやミネラルも豊富に含まれています。
カニは、タラバガニやズワイガニ、毛ガニなどの種類があります。
カニは、そのまま茹でて食べるのはもちろん、
かにすき鍋や寿司、パスタなどさまざまな料理にも合います。
おせち料理や大晦日など、日本では年末年始にカニを楽しむ方が多いです。
冬の味覚としておなじみですが、カニアレルギーの方は注意が必要です。
ミカン(蜜柑)
小雪の時期には、ミカンが店に多く並びます。昔はお菓子とされていました。
ミカンは、ビタミンCやカリウムなど栄養素が豊富に含まれ
肌荒れや風邪の予防に効果があります。
カリウムは、塩分の排出や血圧の調整に効果があります。
サラダやケーキなどのデザートにも使えます。
ミカンの皮には、リモネンという成分が含まれています。
リモネンは、リラックス効果や血行促進効果があるといわれ
お風呂に入れたりすることもあります。
他に以下の旬の物があります。
- ほうれん草
- 白菜
- 春菊
- 蕪(かぶ)
- さつまいも
- 金目鯛
- ハタハタ
小雪の行事や風物詩
小雪の行事について紹介します。
勤労感謝の日(祝日)
「勤労感謝の日」は11月23日で国民の祝日です。
この日は、すべての労働者に感謝し国や社会に貢献することを願う日です。
勤労感謝の日は、もともとは新嘗祭(にいなめさい)という収穫祭でした。
新嘗祭は、天皇がその年に収穫された新米を神々に供える儀式で、
宮中や伊勢神宮で古くから行われてきました。
1948年に、新嘗祭は勤労感謝の日に改められました。
勤労感謝の日には、家族や友人と一緒に過ごしたり、
自然や動物と触れ合ったりする人も多いです。
子どもたちが自分の両親や先生などに感謝の気持ちを伝えることもあります。
ボジョレーヌーボー
ボジョレーヌーボーとは、フランスのボジョレー地方で作られる赤ワインのことです。
今年の解禁日は11月21日です。
ボジョレーヌーボーは、その年に収穫されたぶどうから作られる新酒です。
ボジョレーヌーボーは、軽くてフルーティーで若々しい香りが特徴です。
最近は日本産のヌーボー(新酒)も盛んになっています。
ボジョレーヌーボーは、チーズやサラミなどの
おつまみと一緒に楽しむのがおすすめです。
酉の市
酉の市とは、主に東京で行われる商売繁盛のお祭りのことです。
酉の市は、毎年11月の酉の日に開催されます。
(2024年の小雪の期間では11/5、17、29)
酉の市は、縁起物の熊手を売る露店が並び賑わいます。
熊手は、福や金運をかき集める意味があります。
酉の市の起源は、江戸時代にさかのぼります。
主に関東が多く、関西など他の地域では知らない人も多いですが、
伝統的なお祭りとして、多くの人に親しまれています。
川蝉・翡翠(かわせみ)
ひすいのような羽色から「飛ぶ宝石」と言われる鳥です。
鋭い鳴き声で鳴き、枝から水面に急降下して魚を捕ります。
寒椿(かんつばき)
さざんかとつばきの交雑種の花です。
赤・白・ピンクなどの色があります。
ナンキンハゼ(実)
スペードのような葉の木で、黒い皮が割れて白い実がなります。
昔は種をロウの原料とし、紅葉することもあり街路樹に使われます。
小雪の七十二候
小雪の七十二候とは、小雪の自然の変化を表す言葉です。
初候・虹蔵不見(にじかくれてみえず)
【11/22~11/26ごろ】
この候は「虹が見られなくなるころ」を表しています。
冬の日差しが弱まり、曇り空が多くなるこの時期は、
虹が出たとしてもほんやりとしてすぐに消えてしまうので、
くっきりとした虹はしばらくおあずけです。
太平洋側の地域では、空気もカラカラに乾燥するため
虹が見られなくなってしまうそうです。
次候・朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)
【11/27~12/1ごろ】
この候は「北風が木の葉を吹き払うころ」を表しています。
木枯らしが吹くたびに木々の葉が散ってしまいます。
すっかり葉が落ちて枯れたように見える木を表した
「裸木(はだかぎ)」という言葉があります。
この時期は、落ち葉が美しい景色を作り出すこともあります。
末候・橘始黄(たちばなはじめてきばむ)
【12/2~12/6ごろ】
この候は「橘の実が黄色く色づき始めるころ」を表しています。
橘は古くから日本に自生している日本固有の柑橘類です。
よく食べられるみかんと違って、酸っぱい味とされます。
橘は葉が枯れることのない常緑樹で、永遠の象徴とされ
その実は「不老不死」の実として、日本書紀にも出てきます。
平安京の頃から、京都御所紫宸殿の南庭に植えられ
「右近の橘」と称されるなど古くから珍重されてきました。
悠久性、永遠性が文化の永久性に通じることから、
文化勲章のデザインにも採用されています。
まとめ
小雪の季節は、寒さ厳しくなる前の時期です。
小春日和、本格的な紅葉シーズンでもあります。
師走に入り街はクリスマス色も強くなってきます。
冬の花火、イルミネーション、温泉旅行もおすすめですが
年末年始が近づき、正月準備や仕事などが忙しい時期かもしれません。
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